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 ■ 2005/08/22/(Mon)21:00  フラウ解剖学・最終回 −実地作業

長々と続けてきたフラウ解剖学、今回が最終回であります。

なんだか込み入った屁理屈ばっかりで、全然描き方らしくねーじゃんかよ!(゚Д゚#)ゴルァ
しかも、何か方眼紙みたいの使ってるし・・・あんなのマンドクセ ('A`)ノシ

いや、あれは正確さを期す為で、いつもあんなの使ってる訳じゃありませんわいw

それでは最後に実地作業を述べて、このシリーズを〆る事にしましょう。

1) 正方形の作成

うえ〜〜?正方形って、やっぱり方眼紙いるの? 

いりませんw


まず、自分が描きたい頭のサイズで、横線を一本引いちゃいましょう。

 


次にフォトショップであれば、その直線を複製。90度回転させる。


その二辺を複製して180度回転。ほら完全な正方形ができちゃった。

 

2) 正方形を8分割

この正方形を分割するのですが・・・うーん・・・辺の中点ってどうやって見つけるの?やっぱり方眼紙か物差しいるんじゃないの?

いりませんw


正方形の対角線を引きましょう。その交点を通る直線が各辺の中点を通ります。これで4分割。



上でできた二つの長方形の対角線を引きましょう。さっきは二本引いてバッテンを作りましたが、今度は一本づつでOKです。この対角線と正方形の交点が、二つの長方形の中点になります。


はい、8分割ラインの出来上がりでございます。

3) 顔面中央ラインの確定



この正方形中、ここぞ!・・・と自分が思うところに一本線を引いちゃいましょう。それが顔面中央ラインになります。勿論、顔を描き始めてから「う〜〜んどうも良くないな。」と思ったら位置をずらしちゃって構いません。 (但し背景との関係で、厳密な顔の方向を求めている時は、頑張ってこのラインで描くしかないですが。)

4) "頭部"のアウトライン



さてここで、私はこんなものを描きます。髪の毛は無視して、考えられる"頭部"だけのアウトラインです。まあ、非常に古典的な顔面デッサンの手法で、手馴れた人にはププププ何やってんの?w・・・ってなもんなんですが、この古典的手法、フラウには凄く有効なんです。


と言うのは、あの髪型のせいでフラウの頭はバランスをとるのがとても難しく、また髪のラインが描き手を眩惑するんですね。特に首の付き位置なんか非常に惑わされます。面倒くさいようでも、このステップを挟んだ方が全然後が楽になりますですよ。

また、このアウトライン作成に慣れておくと、頭部を上下左右に回転させる時、球体の回転の感覚がつかみやすくなるというメリットもあります。

ここでの注意点は、前に述べた頬のシグモイド曲線を正確に描く事

それと首は奇形的に細いです・・・と言うのは、これも解剖学の最初の方で述べた通り、フラウは大きな頭に小さな8頭身ボディがついているので、そのギャップがここに来るんですね。描いてて不安になるだろうけど、ここは一つ、思い切り細く描いちゃってください。

5) 髪の毛の作画

 



さて一番難しい髪の毛です。まず正方形に内接する円を描きましょう。フォトショップだったら楕円選択ツールで大体の楕円を作って、自由変形で内接するように調整。紙とエンピツだったら、ここはコンパスを使うしかないですな。無論あなたがフリーハンドで円を描ける腕の持ち主だったら、ササッとやっちゃってくださいw

次に作った円を、首のラインとナチュラルにつながる位置に移動させます。


解剖学で前に述べたとおり、フラウの髪は髪であって髪にあらず、擬似的な乳幼児の頭部を形成させる為のものですから、円は首にナチュラルに繋がっていなければいけません。

大体、ほら後光ってあるじゃないですか?キリスト教の聖人とかお釈迦様とか?あの後光みたいな感じの位置になります。



この円にそって髪を描きます。襟足のハネは形そのものはそんなに重要じゃないんですが、髪型のバランスを取る為には極めて重要な役割をはたしております。まあ、大体、最初に作った正方形の領域からはみ出ないように描けばいい感じになるかと。

髪を描いてみて・・・ん〜〜〜?なんか変だな・・・と、思ったら先ほどの円をうまくフィットするように動かしてみましょう。常に大きな頭骸骨のイメージを忘れずに!

6) 目、鼻、口の作画

 


顔面四分割ラインにしたがって目鼻を配置。ちょっとだけ上向かせたい時はラインの上に、ちょっとだけ俯かせたい時はラインの下に描きます。


ここではキッ!と怒ったような顔なので、ちょっとだけ上を向かせたほうがいいですね。上向き、俯きは表情と極めて密接に拘わっているので、描きたい表情にあわせて、その辺は調整してください。

この段階で顔面の横幅が広すぎたり細すぎると感じた時は、頬のラインや、もみ上げのラインで調整します。

さあここまで来れば完成は間近!

7) 本ラインの作画


綺麗なラインでスケッチをなぞって、はい、出来上がり!ゝ( ゚∀゚)メ(゚∀゚ )ノ

 

最後に・・・

このフラウ解剖学で述べている事は、あくまでも料理のレシピみたいな物だと思ってください。料理の本に載っているレシピ通りに作ったって、それが自分の好みの味とは限らない。第一料理していてつまらない。

これはあくまでも参考であって、自分好みの味、自分のやり易い作り方を見つけるのはあなた自身です。

ただ描いていて、どうもうまくいかないなあ、どこが悪いんだろう???と、思ったとき、このフラウ解剖学が問題解決の手助けになれば幸いこの上なしです。


 ■ 2005/08/21/(Sun)23:16  フラウ解剖学その8 −目、鼻、口

さて、頭の形、頬のラインに続き重要なのは、目、鼻、口の"位置"です。

人間、形を似せて描く事は割合簡単に出来る、しかし一生懸命形を似せてるのに何か変だ・・・何か似てない。そんな時は位置が違っているのです。現実の顔面でも美しいかどうかを決定するのは目鼻の形ではなく、その配置だったりします。それだけ顔面の印象を左右するものって事ですね。



これはフラウの・・・というよりも、安彦先生の絵に特徴的な配置ではありますが。鼻は顔面中心線の左、口は右に置かれる事が多く、両目の中心は左右の顔面半分の中心に置かれる。斜め顔では圧縮遠近がかかって、奥の顔面半分は手前の半分より横幅が圧縮されますから、このケースだと左の目よりも右の目の方が離れてついているように見えます。

これがフラウの基本的な目鼻の配置です・・・・が!!


この配置はあくまでも顔のX軸回転が0度、すなわち顔がカメラに向かって垂直な時のみに適用できるものであります。



人間は俯いたり、上を見上げたりするもの。その時は上記の比率や、「頭と顔面の比率6:4」といった、いままで定式化してきたものは全く適用できません。頭部をX軸回転させるには、正面向き(X:0°)を把握した上で、球体の回転を想像して描かなければいけないんですが、これはちょっとこの連載の範囲を超えてしまいます。


しかしながら、正面向きしか描けないというのは非常に寂しい・・・第一俯いたり見上げたりというのは、表情と密接に拘わっているので、表情豊かなフラウを描くのに、首が動かせないというのは大変困る。


しかし、ごく僅かな角度であれば輪郭や髪、目などに大きな変化を与えなくとも動かす事は可能です。


頭部二分の一の場所に位置している眉毛を、目や鼻と相対位置を保ったまま上に動かしたり下に動かしたりすれば、ある程度は何とかなります。上図の角度が、まあ限界でしょう。これ以上は球体の回転が必要になってきます。

俯き顔では前髪と目、鼻を下げ、頭部を広げます。ポイントは口を動かさない所ですね。

上向き顔は顔面全部と前髪を上げる。そして髪のハネも少しあげてやるといい感じになります。

 


実際の画面でフラウがカメラに向かってまっすぐに顔を向けている事は滅多に無いので、上図のちょっと下向いたり、ちょっと上向いたりした顔の方がお馴染みではありますねw

 

 

さ〜〜てここまでの情報を踏まえた上で、前回やったオリジン・フラウ修正画像を見てみましょう。



 

 Origin Comic Frau Bow

 

Hair and Cheek Lines are Fixed



なにか違和感感じませんか?

オリジナルの安彦先生のフラウは、少し俯いて、上目遣いなのに、修正版は正面を見てますね。ここはひとつ、きちんと顔の角度も同じにしてみましょう。







 

 Origin Comic Frau Bow

 

Angle of the Head has been Assimilated


はいこれで完成!


大変恐れ多い事を言いますが、どうもここで安彦先生はミスを犯してしまっているとしか思えませんねえ・・・というのは、顔面がX:0°の正面向きで、髪の毛だけを動かして俯き顔を作っちゃってる。それが妙に頭部が出っ張って、顔が間延びして見える原因になってるものと思われるんですが・・・

 

最後に目の形について。

位置が大切だとは言いましたが、実は目の形も似せる為には重要な要素ではあります。しかしこれ、定式化は不可能です。


怒れば吊り目になるし、悲しめば垂れ目になる、びっくりすれば丸くなって眼球も小さくなる・・・表情豊かなフラウの事ですから、猫の目の様にクルクル変わります。その上・・・安彦先生の絵では、目や眼球にもパースがかかります

すなわち顔のX軸およびY軸の角度によって、まるっきり形が変わってくるという事ですね。


目だけは本物を見ながら一生懸命似せるしかない・・・その時重要なのは、参考にしている絵と自分の絵の首の角度が同じなのかどうかです。それを常に意識しないと、正面顔に斜め上顔の目をつけちゃったりとか、そういう事になってしまいますw

 

(次回最終回

COMMENTS
  • I M I(2005/08/21 23:58)
    お疲れ様です。
    確かに顔の角度毎に微妙に位置や大きさが変わりますね。
    「その角度の見栄え的に正しい」から、サンプル画像を選ぶ時に、大きく描いてあるからと言って描こうと思っているのと違うアングルの部位を似せて描いても、ちゃんと似た絵にならない。
    顔の部位は形じゃなくて位置で似ているかどうかが決まりますね。


  • Sanjuro(2005/08/22 02:03)
    そうなんです!フラウの・・・というより安彦絵の難しさの肝はそこなんですよね。

    アニメという動かす事を前提とした畑の出身の為か、
    首の角度による目鼻の位置、形の変化が物凄くシビアなんです。

    首はX軸0°のまま、ただティルトすれば上を向いたり下を向いたりできる、そんな絵の漫画家や、あるいはアニメ作画も間々ある中、ほんの僅かな角度変化も球体の回転で描いてくる・・・それが安彦良和なんですなあ。

    ただ、やはりX=0°の位置関係がしっかりメンタルイメージできてなければ回転させる事もできない。

    それにしても俯き顔難しいわあw いつもは俯かせる時は横顔で逃げてるんですが、まだまだ修行が足りんな・・・と思った次第ですw


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 ■ 2005/08/19/(Fri)13:58  フラウ解剖学その7 −頬

安彦先生曰く「ほっぺたがあるからフラウボゥなんだよ。」


至言です。髪のラインとほっぺたのライン、この二つがフラウをフラウにしている二大要因なのは前に述べました。しかし、足が太く見えるのは、お尻が小さい為のコントラストのマジック、頭でっかちに見えるのが頭部の形によるマジックであるのと同じように、ほっぺたにも錯覚のマジックが使われております。

フラウの頬のラインは、頬骨の付き位置が低い事により膨らんで見えるだけで、ライン的には下膨れではありません



大口を開けて叫んだり、ふくれっ面をした時は、この限りではありませんが、基本的にフラウの頬のラインは、Yの増加に対しXが常に増加する。すなわち頤からこめかみにかけて、常に外へ外へと広がっており、内側に向かう事はありません。

この頬のラインは、生体の反応でよくみられる、シグモイド曲線を形成します。


シグモイド曲線というのはアレです、一番分かり易いのは酵素。酵素ってありますな?酵素パワーのザブとか風呂釜洗いのジャバとか、あるいは中学高校時代、でんぷんに唾液を入れて糖に分解させる実験をやったと思いますが。あの酵素の反応と温度との関係をプロットした時、このシグモイド曲線が現れます。唾液の実験を思い出してみると、低温ではほとんど反応が無いのに、ある適正温度になると爆発的に反応をしはじめる、そして温度が高くなりすぎると急速に不活性化する。アレですアレ。

頤の位置を原点とし、水平方向をX、垂直方向をYとしてプロットした時、ラインは最初、下に凸の指数関数的にふるまいます。


そして、頭部下から4分の1、丁度鼻の頂点がくるあたりから一次線形の直線状になる。酵素で言えば、爆発的反応を開始するポイントがここです。この時の微分式は f'(x)=6x+c。傾き6の直線に近似します。すなわち、頭部を6x6の正方形とした時、X方向に1グリッド進む間にYは6増加する事になる。


この一次線形様のラインのどこかに下に凸から上に凸への変曲点が存在し、頭部下から2分の1、目から眉毛にかけての高さで、傾きは突然失われる。酵素の例で言えば、急速に不活性化するポイントがここにあるわけです。


実はこのシグモイド曲線というのが安彦ライン、わけても安彦女体を魅力的にしている要因でありまして・・・それに関してはいつか述べることもあるかもしれませんが、フラウの頭部だけでも頬と頭頂部から前髪にかけての位置に確実に現れます。

 

ただし上記のシグモイド曲線は、あくまでも顔が正面から斜め45°辺りまでを限界とし、それ以上頭部をy軸回転させれば崩れてはきます。



当時の動画はガタガタで、とても参考になりませんので、上図はあくまでも「理屈から言えばこうなるはずだ」という想定に基づいて描かれたものですがw 顔の回転につれ頬のカーブのスタート位置は目の横にむけて徐々に上方に移動し、おでこの膨らみが見えてくるので、目の辺りで曲線はなめらかに繋がらなくなる。すなわち微分不可能になってくる"はず"です。更に、正面ではみえない頤の膨らみが横顔では存在するので、頤が徐々に見え始め、口の下あたりも微分不可能になるはず。

 

さて、フラウの頬を描く上で一番誤り易いパターンを挙げておきましょう。


b)は高橋留美子的な、高い位置に頬の膨らみを置いた、いわゆるハート型輪郭ですな。人体構造的にはこの方が正しいので、イメージ的にこう思っている人は多いんじゃないでしょうか?

c)は頤を形成する為に頬の下部分にえぐれを作るパターン。最近のアニメで良く見られる輪郭でもあります。頤を作ると顎のラインはシャープでかっこよくなりますが、フラウではこれは禁忌です!というのも、頬の下部分がえぐれるので、コントラストの関係でほっぺたの膨らみが過剰に強調される事になるからです。「フラウ=ほっぺた」というイメージで頬をふっくらと描き、そこに頤が重なるとほっぺの膨らみが目立ちすぎてしまいます。

ここで例によって罰当たりにも、安彦先生のオリジン・フラウと比較してみましょう。


 

 Origin Comic Frau Bow

 

Hair and Cheek Lines are Fixed


上図c)のパターンになってますね。と、いう事でオリジンのフラウから頬の下のえぐれを削ってみました。尚、フラウは斜め顔ではとがり顎になり、頭部が回転するにつれ、とがりの角度は鋭くなってきます。


「ほっぺたがあるからフラウボゥなんだよ」という安彦先生の言葉は、読者が「ほっぺたを描かないでくれ」と泣きついて来た事への返答なわけですが、オリジン・フラウのほっぺたが過剰に強調されて見えるのは、このえぐれの為ではないかと思われます。

(まとめ)

1) フラウの頬骨の付き位置は、鼻の横にあり、頬のカーブはそこから始まる。

2) フラウの頬は頤から目の横に向けて外へ外へと広がり、下膨れ的に内側に戻る事は無い。

3) フラウの頬のラインはシグモイド曲線を形成し、変曲点はひとつ。すなわち一箇所でしか曲線の凸の向きは変わらない。

COMMENTS
  • 9393(2005/08/19 20:50)
    いや〜ここまでの連載、凄すぎて傍観してます・・・。どこまで続くのか楽しみです。フラウを満足いくまで再現する道のりが〜・・・。
    手引きどおり頑張れば描けそうな気がしてきたような・・・。いやいや、気のせいです。
    将来、フラウ塗り絵を作ってみたい。


  • Sanjuro(2005/08/19 22:03)
    連載はあと二回と考えておりますです(^^;;;

    >手引きどおり頑張れば描けそうな気がしてきたような・

    描ける!絶対に描けるはず!
    こまごまと書いてるけど、要するに・・・

    頭は円で描け!

    ほっぺは鼻の横を膨らましてなめらかなS字カーブで描け!

    これだけの事ですw
    これだけ守ればフラウの顔になります。
    あともう一つ、目鼻の位置の問題もあり、それが次回のテーマですが、位置さえ守れば目や鼻は自分の好きなように描けばいいんです。

    さあ、9393さんもトライじゃあ!(゚∀゚)


  • イーダ・セーン(2005/08/19 23:41)
    輪郭の中でも一番露出の多いほっぺたの部分はやはり重要ですね。
    フラウの場合、ここで柔らかい肉感すらも表現しているようであります。
    これはあくまでもほっぺたからくるイメージにすぎないのかもしれませんが
    やはりフラウはスレンダーよりも、ふっくらした方が良いです。


  • Sanjuro(2005/08/19 23:58)
    >柔らかい肉感すらも表現しているようであります

    いやあ、いつも自分で描いてるときには意識しなかったんですが、オリジンの頬の下のえぐれ部分を埋めてみたら。ふっくらとしたお餅のような質感がでたんですよね。

    これは自分でやっておきながら驚きました。
    あらためて頬のラインの重要性を再認識した次第です。


  • I M I(2005/08/20 22:32)
    今時の「可愛い女の子を描く為の記号」とは随分離れた感じがしますね。
    「ほっぺたの上の縦線三本」なんて絶対入れちゃだめなんですね。


  • Sanjuro(2005/08/20 22:40)
    違いますよねえ・・・
    このほっぺ、正面ではいいけど頭部を回転させるとメチャメチャ難しい。目の下に膨らみが無いと、回転の角度がきつくなるにつれ、頬が薄くなりすぎるんですよ。実際当時の動画でも回転時のフラウは薄くて細すぎる顔になってる。

    今時の記号化されたラインてのは回転時に楽なように・・・って意味もあるのかもしれません。

    >ほっぺたの上の縦線三本

    あははははは・・・でも安彦先生はその代わりに「星飛雄馬ヒゲ」つけますからw

    なかなか入れ方が難しいけど、確かにあのヒゲつけると子供っぽい元気そうなホッペになるんですよねえ。

    縦三本が赤面の可愛さの演出なら、ヒゲは元気さの演出って事で、この辺にも昔と今のキャラ作りに対する姿勢の違いってやつが出てますな。


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 ■ 2005/08/18/(Thu)02:33  漫画家の絵の変化
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下のほうでIMIさんと話に出たんで即興で作ってみましたw

年を経ると漫画家の絵って変わるものですが、大別するとリアル化か記号化に向かうように思えるんですよね。

傾向をみると、手塚遺伝子の血を引いたコロコロした丸っこい絵の人がひたすらリアルボディな方向に向かい、細い線の繊細な絵の人がシンプルな記号化した絵に向かうように見えるんですが、どないなもんでしょうw

リアル化に向かう流れの中で「リアルに描いてるつもりだけど画力が無い」系統が、狂気をはらんだ絵になり、結果としてそれがアンリ・ルソーのような凄みのある面白い漫画になる。「絵の変化」って話じゃなかったらここに是非ともふくしま政美や由起賢二を入れたい!w

「もう最初からデッサン的なことなど眼中に無い」系統が、不安定な神経症的絵になってるような気がしますね。流れがこれに当てはまらないので入れなかったけど、諸星大二郎なんかも不安神経症グループでしょうか?

不安神経症系には直接ではないものの杉浦茂遺伝子が隔世遺伝してるかも。
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  • イーダ・セーン(2005/08/19 23:37)
    これを見ていて、自分はどのスタンスにいるんだろうと考えてしまいました。
    リアルさは追求したいけど斜線は入れたくないし記号的な部分も否定は出来ないし・・・
    ただ、女の子の質感だけはリアルを追求していきたいですね。


  • Sanjuro(2005/08/20 00:04)
    難しい問題ですよね・・・

    リアルとデフォルメの中間の、丁度いいポジションが取れればいいんだけど、なかなか皆さんそこにはとどまってくれない。

    適度にリアルで適度にデフォルメされているのが一番魅力的なはずなんですが、それを突き抜けて行っちゃう。

    実は漫画の好みだけから言うと、ワシが一番すきなのは「不安神経症」グループだったりはするんですがw


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 ■ 2005/08/17/(Wed)14:54  フラウ解剖学その6 −髪

さて前回、フラウをフラウにしている最大の要因は目でも鼻でもなく、髪と頬のラインであるという話をしました。


な〜んだ、髪型がキャラの描き分けをするってんだろ?当たり前の話じゃん?・・・いえいえ、そんな単純な話ではありません。顔面の目鼻の配置そのものは成人女性と変わらぬフラウを幼く見せる為の計算がそこにはあるのです。


ん?髪のボリュームの話か?いえ、そうでもありません。髪のボリュームだけから言えばアルフィンや、そしてお姉様フラウの方があります。しかし彼女達はずっと大人びて見えます。あの髪型の何かが、彼女を幼く可愛らしくさせているのです。


上図をご覧ください。

b)は顔面および首のラインからナチュラルに考えられる頭部の形状。
c)は髪型が、見る者の心理に与える頭部の形状です。

フラウの頭頂部から襟足にかけての、およそ4分の1のライン、このラインは、ほぼ完全な真円の円弧になっています。この髪の"形"が、実際の頭骸骨とは異なる、「大きくて丸い乳幼児の頭部」を見る者の心理に想起させる訳です。

すなわち顔面そのものの目鼻の配置は、他の安彦成人キャラと変わらぬフラウをベイビーフェイスに見せる効果を出しているのは、この頭頂部から4分の1の円弧であり、これがフラウをフラウにする為の最重要中の最重要ポイントです。


フラウの髪型といえば、誰もがあの特徴的な襟足のはねを想像します。しかし、あれはあまり重要じゃありません。多少大きく描いても小さく描いても、形が違っても大した影響が無い。しかし、この4分の1円弧だけは正確に描かないと、途端に大人びたり別人になってしまいます。

フラウの髪の毛は髪の毛と思って描いちゃいけません。あくまでも擬似的な乳幼児の頭骸骨であると思っておく。このラインが崩れると、錯覚のマジックも崩れ、見るものの心理は「これは髪の毛である」と認識する。結果いくらボリュームを増やしたところでベイビーフェイス効果はでなくなります。

実例をお目にかけましょう。大変恐れ多い事ながら、安彦先生のオリジン・フラウは、あまり似ていない。なんだか面長だし大人びて見える・・・


 
     

Origin Comic Frau Bow

 

Origin Frau Fixed



上の修正版は頭頂部からの4分の1円弧以外何もいじっていません。顔の長さも目も鼻も一緒です。頭の横幅も同じ。頭の大きさや髪のボリュームに至っては修正版の方が減っています。しかしこれだけでぐっと幼くなり、我々が「フラウである」と認識する顔になりますね。(しかし20年経って安彦先生がこう描くって事は、当時、別に計算してやったんじゃなくて、感覚だけで乳幼児頭骸骨効果作ったのねんw)

私はフラウを描くときは、コンパス、あるいはフォトショップであれば楕円選択ツールを使います。



正方形に内接する真円を描き、これをガイドラインとして4分の1円弧を描くようにしています。実際は、わずかに菱形っぽくした方がいい感じになるのですが、あくまでもこのガイドラインから大きく外れないようにする、これが重要です。

 

この4分の1円弧ほどは重要ではないけれど、その外にもチェックポイントがあります。以下にそれを挙げておきましょう。


斜め顔の時、頬にかかる髪のライン、これの位置が顔の横幅を決定します。


頭部を6x6の正方形に内接する円としたとき、顔面の横幅は正面では頭部幅:顔面幅=6:4。これが基本になります。頭部を回転させた時、顔面には圧縮遠近法がかかって、斜め45°では6:3、横顔では6:2という比率になる。頭部を右回転させた時、顔面の左半分は常に比率2をキープしているので、顔面右半分のみが圧縮されていくようです。確かに安彦先生の斜め顔を描くと、いやに左目が離れてついてるなあ・・・と感じる事がありますが、まあ、このようなシステムが原因なのではないかと。


ただし、ここで挙げている比率は、あくまでも目安にすぎず、実際にはミリ単位、数ピクセル単位での違いが、まるっきり別人の顔にしてしまうので、その辺の見極めは場数を踏むしかありません。



最後におでこのライン。これは上記のものほどシビアではないんですが、おでこの高さを決定します。眉毛、すなわち"頭部"の中央ラインからスタートして、顔面の上から4分の1ライン、"顔面"の縦方向中央ラインまでを目安にしておくと、いい感じになります。


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